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羽鳥建築設計室業務日誌

建築家というしごと22

設計事務所には組織型、アトリエ型大きく2分類されて

組織型では医療系専門 商業系専門、住宅系専門

といいますか(その分野に強い)など各得意分野があります

アトリエ系でも公共物件を扱ったり 医療福祉に強かったり

事務所ビルマンションなどを扱ったり 住居専門だったりさまざまです。

個人病院で内科、小児科、産婦人科、外科、などにわかれるのと同じです

建築士には1級、2級、木造とありそれぞれの守備範囲が違い

公共性の高い大規模建築は1級がほぼ独占しています

住宅となると2級建築士が多く建築士の登録数も

圧倒的に2級建築士が多数をしめます

当事務所は1級建築士事務所ですが個人住宅以外は

ほとんど扱っておりませんがマンション定期報告 大規模改修工事なども手掛けます

一口に設計事務所といってもすべて万遍なく手掛けるということはなく

みなそれぞれに守備範囲をもって活動しているのです。

 

建築家というしごと21

以前のメールでもお伝えしてきたように建築設計事務所は工事そのものの責任者ではなく

あくまで設計図書通りに工事が行われているかを監理する立場であるとお伝えしました

この事は工事の完成に責任を持たないという事ではありません

工事を完成させるためにどの様な職人を選ぶかまたは配置させるかなど

プロジェクトに必要な人材をチョイスし完成へ向けてコーディネートする立場にある訳です

施主とともに二人三脚で目標を目指しながら職人たちのモチベーションを

如何に高めて行くかそれはオーケストラのコンダクターの役割にも通じる所があります

工事の場の雰囲気 やる気など目には見えない部分の仕事です

ですからノルマの時間給で雇われた規格化された現場とは一線を画します

専門家でない方はイメージやパッと見の印象で判断されるケースが多いと思いますが

視覚化されない部分そのプロセスと内容が大きく違って来るものです。

 

 

建築家というしごと20

建築設計事務所も顧客からお金を頂戴し作品を提供するという流れから

ある種ハウスメーカーや工務店と同じく商売業であると言えますが

売上や利益を第一に追求する後者とは決定的に違う点もあります

事務所立ち上げ当初工務店にするか設計事務所にするか

天秤に掛けていらした施主さんがこられました

この方は設計事務所も世間一般に言われる建築会社のように

「おたくもバックマージンを設計料の他にとるのでは?」と懐疑的な態度でした。

確かにバックマージンを業者に請求する事務所もあるとは思いますが

設計事務所の仕事は商行為である以前に

「コモン」-公けの利益 を追求して行く責任が付随してきます

「コモンセンス」-住宅ならば、近隣との調和、家族の幸福、子供の教育

資産の形成保存、生活者の心理的影響、健康、安心、安全・・・・・・

商行為以前に取り組まなければならない点が山積しています

公けの利益の為に社会奉仕する姿勢こそ

建築設計事務所の果たすべき役割であると言えます。

 

建築家というしごと19

設計事務所に依頼される場合

施主のみなさまが一番気になる部分の一つは

設計監理業務報酬料のことだと思います

通常ですと 総工事費の10%~12%が基本です

2000万の住宅で200万~240万でしょうか

ただ設計工事期間が12か月としますと

一か月あたり16万~20万支払う勘定になります

一か月に均すとそれでもサラリーマンの給料よりも安いはずです

割安の月収で建築士の専門家を働かせる訳ですから

そこをどう解釈されるかですね

ちなみに当事務所では施主さんの総予算にあわせて

設計報酬を調整させたりもしております

超有名なハウスメーカーの設計士のサラリーと比較してどうでしょうか?

 

建築家というしごと18

ハウスメーカー 工務店 と 設計事務所で大きく異なる点の一つは

前2社がおおむね会社の収益 利益を最重視している事に対して

設計事務所は施主の側に立って施主とともにゴールを目指すという点に集約できると思います

それが設計事務所の長所であり 最大の売りである訳ですから

プロジェクトが成功するためには 施主の理解と協力がどうしても必要になります

ここで施主が悪徳業者に対するように疑いの目で見るような状態だと

設計事務所はその能力を最大限に発揮できません

設計事務所にいい仕事をさせるためには 施主はおおらかな気持ちで臨まれたほうが

よい結果が出ます。 

施主と設計事務所がスクラムを組んで施工業者を巻き込んで

いい流れを形成できれば プロジェクトはほぼ成功します。 

 


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