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羽鳥建築設計室業務日誌

住まいるらいふ20

ようやく秋らしくなってきましたが

10月に入れば暖房の事も考え始めますね

リフォームで特に省エネルギー対策として効率の良い方法の一つに

サッシなどの開口部をペアガラスに変える事を推薦したいのです

部屋一つに100のエネルギーを使って暖房した場合

100の内の50ほどは窓(サッシ)から外へ逃げてしまうそうです

これを高性能ペアサッシに変えると

50が20~25まで抑えられるとのデーターも出ています

夏の場合、100の太陽熱から35ぐらい室内に熱が入り込むようで

暖房、冷房に使うエネルギーがシングルサッシだと

いかに無駄かお分かりになるかと思います

窓ガラスを止めるアタッチメントを交換できれば

サッシ枠そのままでペアガラスにもできますが

窓枠に余裕があればもうワンセットサッシを追加して

室内環境を改善させる事も可能となります。

 

住まいるらいふ19

世間一般では 中古物件を改装する事を

リフォームと捉えられていますが

厳密には リフォームは間取りや設備内装を

一新するにととまる工事を意味していて

建物の機能や性質(使われ方を大幅に刷新する)までの工事では

リファイン と呼んだ方が正確になります

Mさん宅も 茶の間があってもリビングはなく

台所はダイニングとして機能していませんでした

小さかった東入り玄関も 南入りとし

昔の古民家に見られたような土間をかねた

大きな玄関ホールとして設計しなおしました

息子さんや 娘さんから「大きすぎて無駄では?」

との意見もあったそうですが

施主もMさんから強い信頼を頂いて

実現できる運びとなりました

奥様からは 洗濯物をホールの通路を通って

ホール脇のサブドアからすぐに物干しのできる

庇付テラスへ出られるような動線計画には

大変好評を頂きました

このホールはベンチが設えられていて近所の方がいらしても

靴をはいたままリビングに入ることなく立ち話もできる

大変便利な空間となりました

夏の暑い日差しも 冬の寒い日でも

うちとそとの中間領域なので

「あがって!」とわざわざ接待しなくともいいスペースです

 

そんな計画内容から M邸は リファインされた恒例と自負してます。 

 

住まいるらいふ18

一口に空間リフォームと言いましても

マンションの様に構造体(スケルトン)と

内部造作(インフィル)とを

簡単に区別できるものではなく

構造体として手を付けていいものとそうでないものを

峻別しなければなりません

今回のMさん宅は大幅な内部の組み換えとなり

柱を数本入れ替える工事となりました

在来木造住宅でしたので可能なとだったのですが

空間を変えるということは

構造や設備 耐震性のほかもろもろの要素との絡みもあり

簡単ではありません

その為には綿密な設計図のほか

熟練した大工さんたちとの連携プレーがとても大切になります

 

住まいるらいふ17

45年前と間取りを現代風に大幅に刷新する方向性から

東側にあった玄関を 南側建物中央に変え

8畳間1室を多目的玄関ホールに設計しました

古い台所と廊下を挟んだ8畳茶の間を一つにまとめ

20畳ほどのリビングダイニングキッチンとしました

以前から使われていた無垢の木のテーブルを

活用したいとのご要望から

8人掛けのテーブルをキッチン流し台に沿わせ

とても機能的になりました

バリアフリー対応とするために

玄関ポーチまでのスロープと玄関土間から廊下までの

2重のスロープで段差処理を施しました

施主さんのアイディアから8畳もある玄関ホールは

多目的ホールとなり

ご近所の方が靴を脱がず立ち話できるベンチなども設え

日射の強い日はMさんの愛犬も休める場所でもあります

また玄関ホールを起点とし

キッチンから浴室脱衣場 物干しテラスまでの動線が

機能的でスムースとなるように処理されています

いずれ 写真でもご紹介して行きます。

 

 

住まいるらいふ16

M邸の大まかな基本構想は

45年前の重たい瓦の乗った住宅のイメージを

いかに今の時代に合った住まいの形に変えて行くか

というテーマで進めてきました

施主のMさんは20代後半の息子さん 娘さんの

いらっしゃる方で 一方要介護の必要な

お父さん お母さんも同居されている多世代同居のご家族です

要介護に必要な バリアフリーの視点と

子供さん世代にも引き継げるような

次世代の生活にも対応出来るような

複合的な観点で計画をまとめて行く そんな方向性です

 

息子さんがハウスメーカーにお勤めということでしたが

Mさんの強いこだわりと思いから

当事務所にとのご依頼を頂いた経緯です

またMさんも建設業界の耐震補強金物を供給する会社にお勤めされ

この業界についてはかなりお詳しいかたでもありました

 

祖の様な事情も含め

このプロジェクトは リフォームと言っても

耐震改修 バリアフリー 多世代同居 空間構成の大幅な刷新

動線計画 コストパフォーマンス 総合的なリデザインなど

クリアーしなければならないハードルが多義にわたり

限られた期間と予算のなかで進めて行かなければならない

住宅建築としては難しい案件であったと思います。

つづきます

 


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