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羽鳥建築設計室まい・たびっくす



べんりなよのなか9


子供の教育に強い関心を持つのは親として当然ですが

日本の場合大抵は地域の教育機関に任さざるを得ないのが現状のようです

世界的レベルでの超富裕層の親はもっと子供の教育に関心が高く

子供を幼少のころから全寮制の学校に入学させたりしているようです

ボーディングスクール (寄宿舎生学校) として有名な学校としては

スイスに ル・ロゼ  アメリカには フィリップスエクセターアカデミーなどがありますが

ル・ロゼでは バカロレアプログラムという教育システムによる

少人数教育システムを採用しています 一クラス10名ほどで

教師による徹底した個別指導で 希望すれば好きな教科をさらに選択できるシステムのようです

一クラス10名程ですから 子供の習熟度に合わせプログラムを進めることが可能です

そんな子供たちが ハーバードやエール プリンストンなど 国際的に通用する大学に進学し

インターナショナルレベルで通用する人材が育つ訳です

その過程では 学問の習熟だけでなく 違う考え方を持つ他社への理解や 協調性

人間としての本質的なあり方など総合的な教育を学び体得して行くプロセスが高く評価されています

 

文部科学省を頂点とする均一で効率よいとされる我が国の教育システムでは

ひとりひとり微妙に違う個性を持った子供たちを指導しきれていないのが現状だと思うのですが

その結果深く考えることもせず 社会に飼いならされる人間ばかりを排出してしまう結果になるのではと危惧します

効率さばかりを優先したために 指導する立場の教師も 

主体性を持たない飼いならされてしまったロボットの様になるのも当然かも知れません

便利なシステムは諸刃の刃であるとおもうのですが?

 

べんりなよのなか8


高速道路が近くに通っていて 非常に便利な立地に住んでいます

目的地まで短時間に快適に移動できるハイウェーには重宝します

ここ仙台も子供の頃と比べかなり宅地開発も進んで

仙台都市圏人口も140万人を超えました

高速道の沿道は住宅地 工業団地が立ち並び

そこに住む人たちを商売とする店舗も外へと広がりました

高速道は片側2車線で山を切り崩した法面(斜面)を含めると

その幅は50メートルにもなるそうです

かなり昔のニュースでしたが 高速道に熊が現れ

自動車とぶつかった事故がありましたが

エサを求めて熊が高速道を横断したため熊がやむおえず現れたのだと思います

宅地開発が進んでいない昔は仙台市郊外も手つかずの森林が多く

そこに住む動物たちの生活の場であり楽園でもあったのでしょう

高速道開発はやむをえないとしても 動物たちが利用できる抜け道ぐらい

なぜ確保して設計しなかったのか?

30年まえ職場の先輩が高速道開発が自然環境に与える影響を大学時代

卒業論文として調査した話を聞いたのでしたが

自然界の生態系に及ぼす影響を研究する機関もあると思います

しかしその声は生かされず効率面 機能面 経済面が最優先された形が

いまの社会システムなのではないのでしょうか?

そのつけは後のなって私たちの社会に帰ってくると思います。

 

べんりなよのなか7


わたしたちの日本社会は よく個性がない社会と

海外から指摘されるのを耳にしますが

日本で評価され海外へ渡った才能ある音楽演奏者など

ヨーロッパなどへ行って華を開かせることなく帰国してしまうのも

規則 ルール 正確さなどを最重視され教育されたため

オリジナルな個性を発達させる事無く

萎縮してしまったからだといえるのではないでしょうか?

オルジナリティーとは創意工夫する余地のある環境で

各人が発揮する能力で ある意味 あそび であるとも言えます

日本人のこの様な気質は明治維新以後顕著となり

ある点でそれは儒教の影響もあるのかもしれません

儒教の根本は北極星(天帝)を中心に星々が回る世界を

人間社会にたとえ天帝(ここでは天皇)を中心とした社会を指すものです

中央集権型管理社会は管理する側からは大変便利なシステムです

その便利さを自由(創意工夫 自己表現等)と引き換えにしてしまった

わたしたちにも大きな責任があるのではと思います

宇宙や大自然が創り出す秩序は多様性を受け入れ非常に奥が深いものですが

わたしたち人間の考える秩序はまだまだその領域に

達する所までには至らないように思います。

 

 

べんりなよのなか6


100年以上続いた機能主義建築が今から30年前一つの転機となりました

ロバートベンチュリーという建築家が提唱した新しい様式 ポストモダニズムです

クラシックなゴテゴテした無駄な装飾を一切排除した機能主義(モダニズム)建築からの反省で

かつての建築の様に表情のある装飾を復権しようという動きです

日本ではバブルの頃でしょうかクラシックな要素や現代芸術的な装飾や

とにかくデコレーションケーキの様なかんじだったと思います

提唱したベンチュリーの思想的な背景は無視されたようで

自己主張 近隣との景観的不調和 成金趣味的な意匠で見るものに訴えかける要素は見いだされませんでした

かつての建築は芸術 絵画 音楽 数学 天文学 人間学などを束ねる文化的な装置であったのですが

時代が下がるにつれ権力者のステータス 自己顕示 優越感などに利用されて来るようになって行くのです

デザインとう手法は西欧伝統の芸術の流れから来ているもので

古典主義ーモダニズムーポストモダニズムー現代建築とい流れでみても産業革命あたりから商業主義 個人主義の考えが入り

本来人間の心に訴える芸術の営みが 自己満足のための手法に成り下がってきているというのが現状でしょうか

デザインの果たす役割は人間回帰 人間賛歌であるべきと考えるものですが

自分勝手な自己表現や虚栄心を満足させるための表現方法であるべきではないと思います。

 

 

 

べんりなよのなか5


近未来を描いたSF カーボーイビバップというアニメで

主人公スパイクがスペースジェット機ソードフィッシュが

ある惑星の成層圏で故障する場面があり

何十年も前のクラシックになったスペースシャトルで

救出する事になりました

スクラップ同然のシャトルを修理して打ち上げなくてはならず

若いスタッフは故障したCPUユニットを交換しに街へ出かけます

修理長のオヤジは使い慣れた古いシステムを指示しますが

若いスタッフは最新鋭のシステムの方がいいと提案します

オヤジは「古くても使い慣れたシステムがいい」と頑固に説得しますが

スタッフは「効率がわるい」と言い返します

オヤジは「機械に使われたいのか、それとも機械を使いこないたいのか」と

問いかけスタッフはようやく理解したのです

そうして無事にシャトルは打ち上げられ

スパイクのソードフィッシュは無事生還を果たしました

この物語で作者が語りかけているように

私たちの社会は便利さ効率さを追求するあまり最新のシステムを望みがちですが

その行く末は機械(システム)に使われる(管理される)流れを

わたしたち自身が無意識のうちに選択しているのかも知れません。

 

 

 


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