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けんちくと街
羽鳥建築設計室まい・たびっくす

もだにずむ

19世紀までの建築は 権力者や貴族のために創られデザインされた
建物ばかりでした 装飾がやたらと多く ごてごてしたもので
ギリシャや古代ローマから延々と続いてきた 設計手法でした
19世紀末 そんな一部の人たちだけの 建築をもっと一般の庶民に
役立つような設計手法に変えようとした芸術家や建築家たちの運動が
ありました バウハウスに端を発したモダニズム運動がそれで
コルビジェ や ミースファンデルローエの後に続く建築家たちに
多大な影響をあたえたのがこの時代の人たちでした
無駄な装飾を一切排除して 簡潔でシンプルな形は
見た目に美しいだけでなく 安く 早く 機能的でもありました

つづく

 

じょうかまち

仙台は伊達62万石の城下町だけど
その雰囲気を感じさせてくれる場所がほとんどないですね
この間金沢へ出張した際まちをふらっと歩きましたが
昔の旅館が残ってる茶屋街とか 武家屋敷 
街のど真ん中に兼六園があったりして
ほんとうにうらやましかったです。
仙台人は新しいもの好きなのか
古い町並みや建物を躊躇なく取り壊してるみたいです。
そういうのを海外では スラムクリアランスといって
一昔まえにもてはやされた手法なのですが
現在では疑問視されてるようです。
一番丁アーケードに隣接して昔からある飲み屋街(あやしげな)
なんか一歩足を踏み入れて見ると結構いい雰囲気と言うか
落ち着くと言うか 今また仙台に残ってるふるい飲み屋街二つが
クリアーする計画で動いてるそうです。
私的にはこの雰囲気は二度と復活できない様に思えてならないのです。
もったいないなー。

 

こらぼれーしょん

金沢へ旅行した目的の一つに
金沢21世紀美術館の鑑賞があって
ようやく実現できました。
入館した時の印象は、いつの間にか中に入ってしまっていて
ここが外なのか中なのか錯覚を起こしてしまいそうな建物でした。
コンセプトは「気軽さ」「楽しさ」「使いやすさ」で
「まちに開かれた公園のような美術館」ということです。
設計者はヨーロッパでも高く評価されてる 妹島和世さんと西沢立衛さんで
西沢さんは妹島さんのお弟子さんだそうです。
全体的には女性的なしなやかで軽快な創りの建物なのですが、
詳細をみると非常に先鋭的で男性的でもあるのです。
普通美術館というといかめしいエントランスホールがあって
とびきり大きな吹き抜けなんかで度肝(どぎも)を抜かれたりするんですが、
そうゆうパフォーマンスがなく天井なんか程よい高さで
スケール感に優れた設計センスに関心させられました。
我々設計者はこうゆう作品を目の肥やしにすることも仕事の一つですが
一般のかたはどうゆう所に関心をしめされるのですか?
興味があります。

 

感覚ミュージアム

十年以上前に出来た建物ですけど、
仙台の北30キロ行った小さな城下町 岩出山に
感覚ミュージアム があります。
新聞の折込パンフに紹介されていて、地元人のくせに知らなかったのは
不覚でした。
コンセプトテーマは 見る 聴く 触れる 嗅ぐなど
人間の五感に訴える仕掛けがあらゆる所に用意されています。
以前書き込みした ネイチァーゲームにもラップする部分があり、
非常に興味深く思えました。
例えば百年後のリビングルームはこんな感じになるかな?
と思わせるような、玉ねぎをくりぬいた様なドーム状の空間とか
片側が柔らかく反対側が硬い素材で出来た通路があって、
そこを通ると平衡感覚がおかしくなる様な空間とかほんと楽しいです。
行った当日は貸切みたいにひとが少なく得した気分でしたが、
地方の片田舎にこんな美術館がどうして出来るのか不思議でした。
都会の仙台には メディアテークがぽつんとあるだけなのに
なぜでしょうね?
仙台人て冒険したがらない土地柄なのかも?
子供さん 特に小学校三四年生ぐらいの子にインパクトあるかも
しれませんよ。
お勧めです。

 

気になるけんちく

最近町並みとか景観がどうとか言うことが盛んに議論されてきてますが、京都や金沢は別として 私たちが住んでる 普通の街で景観に気を配ってる建物などほ とんど見かけませんよね。だってみんな好き勝手に自由に建物を建ててるし、隣が南欧風リゾートのじゅうたくで向かいが重たい瓦を載せた天守閣風和風建築 だったりとか、こんなだから 設計する側も景観に配慮しようがないんです。
 写真は岩手県北上市のさくらホールで設計が久米、高橋共同企業体が手がけられたものですが、面白いのが大きな建物の囲いがあって、その中に小さな囲いが 入れこじょうにはいっていて、小路あり 広場ありでなんか一つの街がパッケージになったような建築なんです。これだと 昔の街が持っていた 街の雰囲気と か界隈(かいわい)が再現されたようで面白いなーと思いました。今後の日本の建築を考える上で参考になった建物です。機会があったら見てください。お勧め します。

 


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