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羽鳥建築設計室業務日誌



建築家という仕事 7


おかねを沢山儲けるためには
じかんをかけず 安く仕入れて 高く 大量に売る
非常に簡単な図式ですが
ここを正しく理解されてない方が多くいらっしゃいます
わが社は なになに年度 何棟の実績がありますとうたわれると
みんなに支持されてるから これは間違いない商品だと思うわけです
でもじっくり考えてみてください
手間と時間をかけてじっくりと取り組む仕事は
本来儲けたい側からみれば割に合わない仕事なんです
今建築家が注目されだして来てる背景には
この様な図式に消費者が気づきだしてきたからだと思うんです
一生涯に一度あるかないかの買い物です
くれぐれも衝動買いはつつしみ下さいませ 
あなたとあなたの家族のためですから。

 

建築家という仕事 6


先月 仙台メディアテークで学生の卒業設計日本一の
コンクールが開催されました
各大学を代表する作品だけあって力作ぞろいで
非常に独創的で今後の建築界の行く末を案じさせるような
すばらしい作品も結構ありました
でも最近の学生は最先端の流行の形に非常に敏感で
先端をはしる建築家の理論の美味しい所だけをとってゆくような
傾向もみられます
真に評価される建築家はその形に行き着くまで
トライアンドエラー を繰り返し ひとつひとつ積み重ねながら
やっとたどり着いた成果を世間に公表している訳で
漠然としたイメージや思いつきでそうしてるのでは
けっしてありません
よく建築家に仕事をたのむと自己満足の作品を押し付けられる
なんてことをよく耳にしますが
良識ある建築家は施主の意向や背景をそしゃくして
施主にとって最良と思われる唯一解を引き出すのが仕事です
その結果一般に普及している住宅メーカーが提示するようなイメージから
大きくかけ離れることが往々にしてあるんです
そこのところご理解頂きたいと思います。

 

建築家という仕事 5


公共建築には 街の公民館や集会場から
オペラやコンサートホールに至るまで
様々なレベルの建築があります
文化的な純度なんて言葉があるのなら
オペラやコンサートホールなどの建築設計は
最高に高度な設計センスやテクノロジーが要求される
建築だといえるでしょう
その道の専門家に言わせれば日本国内で評価できる
コンサートホールは数えるほどだということです
1963年竣工したベルリンフィルハーモニーのホールは
ハンス・シャロウンが設計したものですが
ホワイエと呼ばれる休憩スペースの空間構成が
特にすばらしいそうです
人が通過する 溜まる 話す 寛ぐ 余韻に浸る
などあらゆる要素が考慮されていて特筆すべき建築ということです
よくコンサートホールは音響特性がどうのこうのと言いますが
いい音でききたいのなら自宅のオーディオルームできくのが
一番いいわけで コンサートホールは楽しむべき場所のはずです
建築家はそのためにも他のあらゆる要素を考慮しなくては
ならないのです。

 

建築家という仕事 4


よく建築家というと 敷居が高くえらそうで
お金持ちしか相手にしないなんてイメージを持たれてる方が
結構いらっっしゃると思います
確かに アメリカの有名建築家F・L・ライトも
そんなイメージとおりの人でした
ある邸宅を設計しその家がある嵐の晩食卓の上で雨漏りがしたそうで
施主は早速ライトにどうにかしてくれと抗議しました
その時ライトはこう言いました
「お気になさらずテーブルを移動して食事を続けてください
もうじき嵐は治まります」
アメリカと日本とでは文化の違いもあるでしょうけど
現在の建築家はここまで偉くも無いと言いますか
そもそも建築家も庶民ですから期待を裏切る行為なんて
まずないと思ってください
建築家はみなさんのパートナーなのです。

 

建築家という仕事 3


専門家というと 化学者とか物理学者とか何々工学の専門家とか
とにかく何らかに特化して最先端の技術を極めた人たちを言いますが
建築家はそういう専門家とはちっとニュアンスが違います
建築に必要な専門知識は 計画 構造 施工 法規などが
試験で試される科目ですが詳細は 人間工学 教育学 精神科学 衛生学
色彩学 芸術学 化学 物理学 歴史学 哲学 経済学 産業科学・・・・
とにかく多義に渡ります でもすべての最先端の学問を究めればいいのかというと
そうではなく 最先端の学問の成果を頂戴しながら
一つの考えをベースにして諸学問を整理しなおすのが建築学だといえます
いい意味では親分的な学問 悪い意味では守りの学問だと言えるでしょう
これに似た職業といえば 会社社長とか 政治家なんかが挙げられます
でも最近の建築は親分的な部分が薄れてきて社会の歯車のひとつに
過ぎなくなってきています 悲しいかな
かつてギリシャ ローマ時代の建築はあらゆる学問の統合者的存在でした
建築家がしっかりしないと社会はあらぬ方向へずるずると牽きづられて
ゆくのでしょうかね?

 


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