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建築家というしごと4


今年4月、政府の肝いりで長期優良住宅の促進支援策がこうじられました

以前は二百年住宅というネーミングだったと思いますが、

審査基準や検査がやたらと厳しく、設計監理業務が半端じゃなく煩雑になるみたいです

メリットは補助金が降りて来る事で、エンドユーザーには魅力に映るようです。

ただ、現在日本の総人口の50%~60%は建設業に何らかの形で関わってくると言われており

高性能、高品質、高価格な住宅を建てようとすれば、それを実行出来る技術者や職人の数は

自ずと限定されてきて、限られた人たちの間でしかメリットを享受出来ない仕組みになる可能性があります。

当然、設計されるその内容も規格化された標準的なプランとなり、

設計者の腕の振るう場面は限られてくるはずです。

そもそも二百年という数字はどこにその根拠を置いているのか不明確であるような気がします

タタミの生活から椅子の生活に切り替わったのが、高度成長期に入った初期

都市に人口が急速に集まりだして、住宅不足に悩んでいた当時

公団住宅が食寝分離を考案して世に出したプロトタイプの間取りがーLDKの住宅の原型です。

それから数十年東京郊外のTVドラマの舞台にもなったニュータウンで生田という住宅街がありますが、

当時は最先端のファッショナブルな郊外タウンでした。

現在では、当時のニュータウンの子供たちも巣立って行き、働き盛りだったパパママたちは定年を向かえ

子供のいない寂しい住宅街に変貌しています。

ライフステージという言葉が在りますが、二十代に生活のかたち、三十代の生活のかたち、~

と言ったように時間と共に生活のあり方が変化して行きます

最近の住宅ではそこの部分を意識した設計をしてる住宅もおおく見受けられますが、

こうした設計が出来るには住み手と作り手の徹底した共同作業が不可欠です

二百年後の住まわれ方なんて分かる人いないと思います。

イギリスの農村なんかで百年以上持つといわれる古い建物がいまでも機能しているのは

ひとつは、住まいに人の方が合わせた使い方を実践しているということ

もう一つは、日本と違って長い歴史の中で生活スタイルの変化を余儀なくされた経験がないと言う事

この事実か決定的です。歴史、文化、ライフスタイルいずれも変化が無いと言う事です。

社会変化のめまぐるしい日本社会での二百年住宅構想は無理やりにこしらえた仕組みのようにも思えます。

 

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